« July 2012 | Main | September 2012 »

August 26, 2012

増殖する Speaker 3(特性の測定とオーディオラックの製作)

■ スピーカー特性の測定

 
 今まで、iPhone と iPhone 用外付けマイクを使った簡易測定でしたが、新・秘密基地にマイクとマイク用アンプやケーブルなどを運び込んだのでスピーカーの周波数特性(f特)が測定できるようになりました。

 
 という訳で、早速先日作ったタンノイ IIILZ +スーパーツイーターをリスニングポジションで測定することにしました。なお、処理するPCソフトとマイクの関係で高音側は 20kHz 程度までしか測定出来ないことと、部屋の低周波ノイズのため 50Hz 以下は精度が落ちています。また、12kHz 付近に大きいノイズとその他にも小さなノイズ(エアコンから?)がありますが、測定には影響はないと考えています。また、200 から 300Hz におそらく部屋固有と思われる鋭い凹みがあります。

 
 タンノイ IIILZ +スーパーツイーターの結果は、下の図のように 2kHz 付近が大きく凹んだあまりパッとしない特性でした。


TANNOY IIILZ + PT-R7A 互換品

 

 
 これは、低音用の回路(ローパスフィルター)が効きすぎている状況だと考えました。ツイーター側はあまり大きな口径ではないので、今回のクロスオーバー 1.2kHz より下げて使いたくないため、この凹みはウーハー側で対策することにしました。

 
 方法としては、前回せっかく回路を再修正しましたが、それらを無いこととするため回路をバイパスするコードを追加しローパスフィルターをパスして 25cm ウーハーの高音を切らないことにしました。

 


ウーハーのローパス回路を省いたもの

 

 
 特性はかなり改善され、音も良くなったように感じます。 500Hz から 1kHz あたりの中音域が盛り上がったようになったので分解の良い音に聴こえるようです。

 
 なお、特性を見ると回路を加工して再設置した際、前回測定したスピーカーの左右が逆になったようです。古いユニットなので聴いた感じでは全く分かりませんが、少し特性に差が有るようです。

 
 TANNOY IIILZ は特性が少々暴れていますが、音の反応が非常に良く JBL のような音がします。JBL の 4inch ダイヤフラムのホーンなどと比べると実体感などは明らかに劣りますが、2(1.75)inch ダイヤフラムのホーンとなら結構いい勝負をしそうです。

 

 
 せっかく特性が取れるようになったので、DS-A5(改)と B&W PM1 の特性も IIILZ と置き替えて測定してみました。

 
 DS-A5 は、ウーハーを焼いてしまい無理やり代替えウーハーに交換して DS-A5(改)とし、さらにツイーターの弱音装置兼ディフューザー(使わなくなったデーターCDを利用しています)を取り付けていますが、当初はCDの端がウーハーのフレームに乗っかってしまっていたので、その部分をニッパでカットし、見栄えを少し改善しています。

 
 なお、DS-A5 は、写真ではオーディオラックの上に乗っていますが、実際のそれぞれの特性測定は、周囲には他のスピーカーを置かず、全て同じスピーカースタンドに乗せて同じ向きにして測定しています。

 


IIILZ と DS-A5(改)

 
 DS-A5(改)のf特はかなり綺麗です。

 


DS-A5(改)

 

 
 B&W の PM1 は DS-A5 をダメにしてしまったので、自作スピーカーばかり聴いていてとんでもない音なっているのに気付かずにそれに慣れてしまうといけないので、耳をリセットするためのリファレンス用です。ウーハーは小径の 13cm(DS-A5 とほぼ同じ)で回路はシンプルな -6dB/oct です。小口径ながら 100Hz 以下の低音が十分で量感が良く出ます。なお、50Hz 以下の重低音は DS-A5(改)よりも出ない感じです(今回測定したf特では差がないように見えますが測定精度の低い部分のためと思われます)。

 
 なお、PM1 の写真は、以前に撮影したもので、特性測定時は、IIILZ、DS-A5(改)と同じ条件(オーディオラックが有る状態)で同じ向きで行っています。

 


B&W PM1

 
 f特は -6db/oct だということを表しているかのようにウーハーとツイーターのつなぎ目がハッキリ分かります(公称クロスオーバー値は 4kHz です)。

 

 
 PM1 の音はとても美しく、特にクラシックの編成の大きいオーケストラがとても良く聴こえます。その他の音源も全てがとても美しい音で再生されます。

 
 今回測定したf特を比較すると、f特のフラットさと音の聴こえの良さにはあまり関係がないということが良く分かります。


 

 

 
■ オーディオラックの製作

 
 新・秘密基地は狭いにも関わらず、プリアンプ・パワーアンプ・音源用のノートPCを床に直置きして場所を取っていたので、上に重ねることにしました。

 
 パワーアンプとプリアンプはあまり近づけない方が良いようで、確か大昔に読んだ YAMAHA の説明書にパワーアンプはプリアンプから 20cm 以上離すようにと書いてあったような気がします(うろ覚えです)。

 
 ということですが、上に 20cm 空けるのはスペースがあまりにもったいないので、そこそこ広くという程度で作りました。ラックなどで音が変わると言われますが、それは単純にラックの板が鳴ったり空間での共鳴のためだと想像しているので、21mm のシナ合板を使い、共鳴空間が出来にくいように背の高い側板には大きな穴を明けています(上の IIILZ と DS-A5(改)の写真をご参照ください)。

 


まるでスピーカーBOX用の素材のようです

 
 


設置したところです。

 
 ラックは下向きコの字型にクギと接着剤で固定していますが、1段ごとに独立しています。このため、2段目は下向きコの字をただ乗せて重ねているだけです。

 
 これは、予定通りの作業でした。側板の固定のクギ打ちでクギが曲がって入ると側板を押し出してしまい固定位置が狂うので、少し慎重に作業したのですが、結局少し曲がっています。まぁ、いつもの荒くれ作業なのでこんな調子です (^^;

 

 

 

 
■ まとめ

 
 今回のf特測定では、なんと DS-A5(改)がもっとも綺麗なグラフになりました。しかし、グラフの綺麗さと音の良さは比例しないので、それぞれのスピーカーがそれぞれの特長を持ってそれぞれの音で鳴っているということが良く分かりました。

 
 オーディオラックは無難に完成し予定どおりでした。

 

 

 

■ おまけ

 
 今回比較した3つのスピーカーは、ジャズなら圧倒的に TANNOY IIILZ、クラシックの大編成のオーケストラなら圧倒的に PM1、他では聴こえない重低音が何となく聴こえ、POPS が気楽に聴けるのが DS-A5(改)、という感じですが、f特では当然これらの違いは全く分かりません。しかし、IIILZ のf特の大きな凹みが分かり改善出来たのでf特測定はその意味では有効な測定であったことを再認識しました。

 
 IIILZ は弦楽器が良いと言われますが、今回作ったBOXとの関係なのか少し一般的に言われている鳴り方とは違うようです。しかし、モニターゴールドという名前の通りモニタースピーカーとして音の分解や定位など素晴らしくオーケストラでトランペットが2人(もしかしたら3人)が横に並んで吹いているのが分かるようでこれはこれで凄いことです。音源によってはオーケストラの弦楽器の合奏で何かザラザラするような音の重なりも聴こえ、コンサートホールの前列で聴いているような感じにもなります。

 
 IIILZ はBOXやネットワークも模索しながらの作製ということもありネットワーク回路は紆余曲折しましたが、とりあえず回路はこれでまたしばらく様子を見ようと思います。

 
 ただし、IIILZ は女性のボーカルが音源によっては音量を上げた時に中音が少し響くことがあり(f特を見ながら音楽再生してみると 700 から 800Hz 付近が少し強い)、どこかで何かが共振しているみたいです。箱鳴りが一番怪しいとにらんでいますが、この対策も今後考えて行きたいと思います。

 
 しかし、音楽を楽しく聴かせてくれるという意味では IIILZ は完全にクセになる音で、このところ IIILZ ばかりで聴いています。 BOXが大きく、他のスピーカーに入れ換えた時、置き場に困るということもあるのですが・・・ (^^;

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
次回は、未定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左のアナログ時計のブログパーツは↓で・・・
http://illuminum.cocolog-nifty.com/led_light/2007/02/post_f4bf.html

 

 

 

イルミナムのページ

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 05, 2012

増殖する Speaker 2(夏休みではないけれど工作もどき)

 先週、タンノイ IIILZ を使ったBOXとネットワークを作り音出しをしましたが、その後、少し混乱がありました。

 
 ネットワークの低音側のコンデンサー位置が間違っていることが分かり修正したのですが、その修正が実は間違っていたというダブルのミスをしてしまいました。

 
 ネットワークのコンデンサー位置は普通はコイルの先、スピーカーユニット側に入れることが正解だったのですが、それを間違ってBOX端子側に入れていたことに気付いたからです。回路のシミュレーションソフト LTspaice で特性をシミュレーションすると確かに端子側に入れた方が良いことが分かりました(実はこのシミュレーションを実際には入れている補正回路を省いたことが間違いの元だったのですが・・・)。

 
 という訳で、コンデンサーの端子をカットし、バイパス線をつなぎ正しい(ハズの)配線に修正しました。

 
 しかし、これで再生したところ、低音が出ず、また中音でエコーのような強調感が強くでてしまいました。かなりひどいです。一晩鳴らしてエージングしてみましたが、とても最初のような魅力的な音にはなりません。

 
 と言う訳で、あまりにおかしいので再度 LTspaice で今度は本来入っている補正回路を加えて再度シミュレーションをしてみたところ、下の図(LTspice の図をトレースし dB 幅を合わせて重ねています)のように、実線が先週作った間違いだと思っていた特性で、破線が今回正しいと思い込んで修正した特性でした。なお、カットするポイント(-3dB 点)は 1.2kHz です。

 


図:実線 = コンデンサー・端子側、破線 = コンデンサー・ユニット側(Y軸:音圧、X軸:周波数)

 
 補正回路が入っていると、最初に間違ったと思っていた方が実は正解だったことが分かりました。なお、スピーカーの特性は周波数で変わるので(周波数が高くなると抵抗値が高くなる)念のためスピーカーのインピーダンスを8オームに加えて16オームでも計算したところ同様でしたので、また聴感上の感覚と破線の特性が似ているため、シミュレーションでの結果がフラットになった、コンデンサーをコイルよりBOX端子側に入れる方が正解だったようです。

 
 という訳で、再度の修正です。

 
 この修正を行ったところ、無事先週の音に戻りました。このようなことをすると、元の音に戻らず困惑してしまうことが往々にしてあるのですが、今回は素直に元に戻ってくれたので一安心です。

 

 

 
 こんなドタバタがありましたが、落ち着いて聴いていると IIILZ のホーンツイーターに少しクセがあることが分かってきました。あくまで聴感上ですが、ホーンツイーターの高域特性があまり伸びていないようで、アテネーターで少し高域を強めると中高域が張り出しすぎ、弱めると高域が不足する感じです。クラシックなどでの再生ではほとんど分からないのですが、JPOPS などで高域の不足が気になるようになってしまいました。

 
 ということで、メインのシステムに組み込もうと思い、しかし、音圧が不足して使えずお蔵入りとなっていたパイオニアさんのスーパーツイーター PT-R7A 互換品の出番です。

 


PT-R7A 互換品を乗せたところ

 
 スピーカーのコードはバナナ端子で接続しているので、スピーカー端子ネジ止め部分にコードを追加しスーパーツイーターへ持って行きました。ハイパスは 0.47uF のコンデンサーで低域をカットしました(下の写真)。

 


コンデンサー追加の方法に迷いましたが、スピーカー用端子を分解して使いました。

 
 最初 1uF のコンデンサーを付けてみたのですが少々音が強かったので、0.47uF にしました。いずれもたまたま手持ちの部品であったのですが、1uF と 0.47uF の中間(0.67uF など)が無かったのですが、0.47uF でかなり良いのでしばらくこれで様子を見たいと思います。また、場合によってはアッテネーターが必要かと思ったのですが、私の耳にはちょうど良かったです。高域が良く聴こえる人や迷犬タルト号には少し超高域がうるさいかも知れませんね (^^;

 

 

 

 

 
 さて、今回の回路が正解だったので、以前作った Vifa の密閉スピーカーの回路は今回同様に補正回路が入っているので、接続が間違っているということになりました。ただ、クロスオーバー周波数が 4kHz と高いのであまり差が出ないことが分かっていますが、一応背面板が外せるようになっているのでついでに修正を実施しました。

 


写真ではすごく分かりにくいですが、銀色のウーハーすぐ後ろのコイルに隣接したコンデンサーに銅線でバイパスを付けて接続位置を修正しました。

 
 こちらは、一台のみバスレフに改造しています。低音をスタッカードにして締りの好い音と低音の伸びを期待しています。そもそもサブウーハー必須でのシステムですが、別に低音が出るなら出るにこしたことはありません。

 
 こちらの結果は、まぁ、やらないよりは良かった、という程度で IIILZ のような大きな違いはありませんでした。

 

 

 
 今回、シミュレーションをやるなら、回路は実際と忠実にしないといけない(手を抜いてはいけない)
ということを学びました (^^;

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
次回は、未定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左のアナログ時計のブログパーツは↓で・・・
http://illuminum.cocolog-nifty.com/led_light/2007/02/post_f4bf.html

 

 

 

イルミナムのページ

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« July 2012 | Main | September 2012 »