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July 29, 2012

増殖する Speaker(夏休みではないけれど工作もどき)

 遠い遠い昔、40年近く前の渋谷のヤマハは、オーディオコーナーがありオーディオ機器を販売していました。そのコーナーが閉鎖になるということで在庫放出セールがありました。

 
 当時学生で、当時新品は8万円程度(だったと記憶していますが・・・)なのでとても買えずあきらめていたスピーカーが、在庫品販売ということで4万5千円程度で販売されることになりました。それが、タンノイ IIILZ でした。当時すでに不人気機種だったので売れてしまうことはないと思い込み、時間がとれたセール2日目の開店時間に何とかかき集めたお金を持って出かけました。

 
 結果は、見事撃沈でした。

 
 当時、長岡鉄男氏の最初代位のバックロードホーンスピーカーを自作し、フォスター20cmフルレンジとヤマハの 0506 ホーンツイーターで聴いていたのですが、定位が抜群によく、細かい音まで良く聴こえ素晴らしい音なのですが、音楽性に乏しいような気がして海外の名スピーカーを自分のシステムとして聴いてみたいと思っていたころの出来事でした。

 
 タンノイを買い損なったことが、その後 JBL で自作スピーカーの道を進むことになったと言って良いと思うのですが、IIILZ へのあこがれは心の中へトゲが刺さったように残り今に至ります。

 
 IIILZ を含め古い TANNOY スピーカーはキャビネットを鳴らし音楽性を補っていると言われ、それの性能が発揮するのはイギリス製のオリジナルBOXでしか出ないと言われていました。当時ヤマハで売られていたのはオリジナル箱なのか、国産のレプリカなのかは今となっては不明ですが(記憶の価格を考えるとレプリカの可能性が高いですが)、オークションなどで IIILZ のオリジナルBOX入りのモデルは20万円位で出品され、さすがにコストパフォーマンスが悪い懐古趣味になってしまうので主に経済的な理由で手を出さないまま今まで来てしまいました。

 
 今回、IIILZ のユニットだけですが(ネットワークや箱はありません)、何とか入手する機会に恵まれ、積年の心のトゲが抜けるかもしれない機会が訪れました。倹約生活に入ったにも関わらずこれを逃すと一生後悔するという思いで・・・ (^^;

 

 
 と、長い前置きですが、金曜の晩から土曜日一杯を使って夏休み前の「夏休みではないけれど工作もどき」を始めました。

 

 

 先にも書いたとおり、昔の TANNOY は箱を鳴らして音に響きを付け音楽表現を加えている、と言って良い方式のスピーカーシステムなので箱の作り方は結構難しいことが分かっています。これは、コンサートホールの床材のような音響効果で録音にもそのような効果音は含まれているハズですが、目前で箱が響くことで再生環境で心地よく聴こえる理由ではないかと考えています。ダイヤトーン DS-A5 もそのような考えのスピーカーでBOXを楽器用素材で作っています。また、有名な TANNOY オートグラフは、12mm のラワンの単板で作られているそうなので自作素材や板の厚み、大きさや方式も大いに研究の余地があります。また、1ユニットですが、低音と高音の同軸 2way でネットワークも工夫が必要なのかもしれないなど、自作にはなかなか手ごわいユニットです。また、ユニット自体も古いしいつ壊れても(コーン紙も破れるかもしれない)おかしくない状態です。

 

 
 という訳で、考えて分かるものではないことが分かっていますので、考えなしに普通の箱に入れ、ネットワークも推奨クロス 1.2kHz(本当は 1.5kHz?) の -12dB/oct のバスレフで作り味見(様子見)をすることにしました。

 

 
 箱の大きさはあまり場所をとらず少しコンパクトでシナ合板3x6で1台分になる箱を適当に設計し、東急ハンズさんにカットを依頼しました。本当はBOXのレシオは厚みが少ないバッフル板の大きい方が向いていると言われていますが、置き場などのスペースの関係でバッフル板を小さくしました。このため、少しキューブスタイルとなり内部で定在波が出やすい形ですが、構わず強行しました。

 


届いたカット済み材料(21mm 厚です)

 

 
 バスレフポートの高さは16mmと薄く 80Hz 位を補うような条件です。今までの自作スピーカーでの低音が出ない現象が多いので、無理に下に伸ばさず 100Hz 以下を充実させようと考えました。

 

 
写真 左:側板天地板を DS-A5 改を重しとして接着
写真 右:ナットを打ち込んだバッフル板とアッテネーターを付けた背面板

 

 
 ネットワーク回路は大きめのガラエポ基板にターミナルを付けてバラック空中配線です。このターミナルのおかげで、ユニットへコードをハンダ付けしても(ユニットとの接続用の4Pプラグが無いのでハンダ付けしています)ネットワークと取り外しが出来るようになりました。

 
 ネットワークの素子類は接着しようと思ったのですが、部品交換を視野に入れ(後から交換できるように)荷造りひもで縛り振動しないように抑えつけました(コイル1つのみ接着しています)。

 

 
写真 左:基板に部品を付けたところ、写真 右:荷造りひもで固定し背面からのコードと接続

 
 最終固定の前に、ネットワークなどに異常がないかの確認です。ユニット到着後のチェックのためのスイープジェネレーターからの入力以降、初の音出しです。悪くありません。

 


外付けマイクを付けた iPhone での簡易観察です

 
 IIILZ ユニットは、こんな感じです。

 

 
内部の配線はベルデン 8470 です。この後、背面板を接着します

 
 背面板を接着し数時間放置し、バスレフポートの上にニードルフエルトをひきその上にネットワーク基板を銅クギで固定しています。その後バッフル板を接着しました。おもり代わりはここでも DS-A5 改です。

 


バスレフダクト端面は手抜きです (^^;

 
 ユニットをネジ止めする前にグラスウールを入れ、スタンドに載せて試聴です。新・秘密基地は少しスペースに余裕があります。

 


一つ目小僧みたいです (^^;

 

 

 
 早速音出しです。

 
 ごめんなさい、謝ってしまいます。TANNOY をなめていました。コーン紙がかなり古そうでちょっと心配な部分もあったのですが、まだそこそこしっかりしています。

 
 他の新しいブックシェルフ型スピーカーやメインで使っているようなマルチウエイの大きなシステムのようなライブ感などとは違う臨場感ですが、音の分解や定位など非常に良い線いっています。

 
 もっと古臭く抜けは悪いものの高調波が出て響き感のようなモノが出るスピーカーだと思っていましたが、全く間違いでした。何を鳴らして美しくレンジ広い音で鳴らしてしまう B&W PM1 のような美音系とは明らかに違い、どちらかと言えば JBL の音にかなり近いです。甘いところなんてありません。しっかりとした低音で全体にソリッドに響きます。良い録音の楽曲が良く聴こえるようですが、新しいから良い、ハイレゾだから良い、という訳ではなく、ソースと相性があるようです。また、再生音量が大きいと比較的なんでも良く聴こえるようです。ユニットの再生リニアリティが落ちているのかもしれませんが、現在の状況で自分の環境では十分です。

 
 音を聴き、改めて IIILZ を思い出すとこれはモニターゴールドです。このユニットは本来モニター用で、たまたま弦楽器の再生が得意だと評判が立っただけのように思いました。

 
 なお、低音は予想に反しすごく出るので今回のバスレフ設定では低音が出過ぎでした。また箱形状のためと思いますが低音がブーミー(過剰に響く)になってしまうのでポートにニードルフエルトを差し込んだところブーミーさは消えました。なお、重低音のチェックに使っている Avril Lavigne の Sk8er Boi では重低音は聴こえませんでした。しかし、低音は締りが良くパルシブで大したものです。

 
 今回のユニットは古く使い込まれたと思われるものなので、ユニットのエージングというのは無いと思いますが、ネットワークは今回新しく自作したのでコンデンサーなどがエージング効果がありそうです。鳴らし始めは少し聴きづらい感じがありましたがどんどん聴きやすくなり明らかに音が変わっているので、エージングはしばらく続けた方が良さそうです。

 
 想像していたのと全く違いはるかにモダンなモニターライクな音でした。また、弦楽器の再生が良いというのは意識に刷り込みがあるためそう聴こえるのかもしれませんが、確かにクラシックの弦の響きが美しく聴きやすく感じました。今回のBOXはテスト用と割り切るつもりでしたが、十分に良く聴こえるのでしばらくこのまま使ってみようと思います。

 

 積年のリベンジを果たしたような気分になりました。

 
 工作とユニットは、大成功でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
次回は、未定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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