緊急検証 !! P1D CE ビームショット
■ はじめに
昨年末に発売された Fenix の Cree XR-E 搭載ライト P1D CE は、コンパクトなのにとても明るく、今までの小型LEDライトの明るさイメージを大きく変えるエポックメーキングなライトとして話題となりました。
しかし、壁面照射した時に明るさムラのようなものが見え、メーカーではこれを錯視と言っているようです。しかし、私の工作した Cree XR-E のライトでも一部にはこのような現象が見られます。
このため、本当に錯視であるのか、また錯視であるとするとなぜそう見えるのかに興味が湧き、今回 P1D CE のビームショットで検証してみることにしました。
今回解析した画像は、P1D CE リチウム(3V)電池での Max mode です。
画像の中央にはホットスポットを囲むような暗いムラと外周に明るいリング状の明るいムラが見えます。

写真1:P1D CE Lithium 3V Max mode
ご注意とお願い:今回の色温度解析には数値表示がありますが、絶対値として正しいかの校正が出来ていません。参考値としてご覧ください。また、明るさ解析はカラーのビームショットを元に明るさは白黒化してそのグレースケールで判定しています。このため白黒化のためのソフト処理で実際の照度計の値の分布とは異なる可能性があります。
参考画像:

左:写真2 Aleph A19 Wiz2 520 Cree XR-E、右:写真3 Surefire 9P DB1000 Cree XR-E
■ 明るさ解析 ・・・「20段階表示」と「横軸明るさ分布」

左:図1 P1D CE 明るさ20段階表示(20段階目は黒です)、右:図2 P1D CE 中央部より水平方向(横軸)での明るさ分布

左:写真4 明るさ20段階とビームショット、右:写真5 中央部より水平方向(横軸)での明るさ分布とビームショット
・20段階程度の分解能では明るさムラは検出できません。
・明るさ分布のグラフからは中央部の明るさムラはノイズ範囲程度で、明るさが明らかに暗いとは思えません。しかし、左側外周部分は明るさにムラがあることが分ります。
● 中央部の明るさムラ
明るさ分布で一見したところではデータが分り難いので、ビームショットの中央部のホットスポット周囲の暗く見える部分を拡大してみました。

左:写真6 写真5での拡大部分を青枠で表示、右:写真7 青枠部を白黒化して拡大
さらにペイントソフトで256色表示へ変換してみました。(グラフと明るさの不一致部分はデータを重ねた場所が厳密には一致していないためですご了承ください)

写真8 写真7を256色グレースケール表示
・256段階でも明るさムラは検出できません。
・明るさ境界部分の明るい側が目の錯覚で影で影が付いたように見えます。
この錯覚がある事を知った上で再度明るさ分布のグラフを見ると、中央より右側部分に明るさ変化が他より緩い部分が有ることが分ります(写真9参照)。

写真9 明るさ変化を青直線で表示
・中央部付近の暗く見える部分は、明るい部分と暗い部分に挟まれた比較的明るさが均一な面があり、この部分が目の錯覚により明るい側が暗く見えているのではないかと思われます。
● 外周部の明るさムラ
ビームショット左側が分り易いのでそこを拡大してみました。

写真10 拡大し256色表示
・外周部分は明るい部分が円周上にあります。この外周部の明るさムラは実際に明るさのムラがあることが分かります。
■ 色温度解析
久しぶりに色温度解析をしました。色温度はLEDのランクにより大きく変わり、明るさランクの違い同様に個体差が大きいので通常のレビューではこの解析はしないのですが、明るさムラの一つの原因の可能性もあると考え実施してみました。

写真11 色温度解析結果をビームショットに重ねたもの
・ホットスポットはデータがサチッて(飽和して)いるためデータはあてになりませんが、中央部付近の色ムラ部分は 200K 色温度が低いようですが、この様子は測定誤差範囲です。
・ビームショット外周部分は明らかに 200 ~ 400K 低いことが分ります。しかし、この部分は明るさも暗い部分と思われます。
以上のことから、当初予想した色温度の違いによる明るさムラはほとんどなさそうだ ということが分りました。
■ まとめ
中央部の明るさムラは、目の錯覚のようです。このため、メーカーの錯視という表現は中央部分に対しては正しいと思われます。
この錯視の原因は、とても明るい部分の隣りに比較的広い範囲で明るさ変化の少ない部分が広がりさらにその外側に暗い部分があることで明るい部分の隣りが暗く見える目の錯覚だと思われます。
また外周部は明るさのムラが実際に有ることが分りました(原因は不明)。
なお、ペイントソフトで画像の中央部分を適当な色で塗りつぶすと画面上でも明るさムラが変化することが確認出来ます。
今回の観察で人間の目は面白いものだと思いました。


Comments
Shinta さん、こんにちは。
TBありがとうございました。Shinta さんのブログをブログ仲間に追加させて頂きました。これからも宜しくお願いいたします。
ちょっと今頭痛なのでゆっくりと拝見できずに申し訳ありません m(_ _)m
後日ジックリ拝見させて頂きますね、・・・(^^;
Posted by: イルミナム | January 31, 2007 at 19:35
はじめまして、サイトの方も含めていつも巡回させていただいてます
Creeのリフの話つながり、ということで無理矢理こじつけてTBさせていただきました(^_^;)
P1D CEを含めて4種類の異なるリフの照射パターンを同じ距離(露出優先なので明るさの比較はできません)で撮ってみましたので、こんなのもあるよってことで。。。
失礼しました
Posted by: Shinta | January 31, 2007 at 00:31
リンク有難う御座います。
こちらから御願いしなければイケナイのに忘れて・・・m(_ _)m
さっそくRSS登録致しました。
これからも宜しく御願いしますm(_ _)m
Posted by: nob | January 09, 2007 at 01:02
nob さん、翠庵さん、明けましておめでとうございます。
コメントありがとうございました。
これからも宜しくお願いいたします。
リフレクターも上手く照度が外側に向かって下がっていかないとこんな風になるのですね。ダークリングは錯視であっても、また実用上で全く分らないものでもついつい気になってしまいます(^^;
PS.
nob さん、ブログ仲間にリンクを加えさせて頂きました。
Posted by: イルミナム | January 08, 2007 at 18:22
明けましておめでとうございます。
はじめまして。翠庵と申します。
HP、ブログとも、いつも楽しく拝見させていただいております。
ダークリングの件は私も気になっていまして、照度計で確認したりしたものの、ダークリング部分での照度の落ち込みも見られず、不思議に思っていたところです。
今回の検証結果を興味深く拝見させていただきながら、ふとモニタに映し出された画像のホットスポット部分を指で隠してみると、、、
なんと不思議なことに、ダークリングがダークリングでなくなるではないですか(驚)
イルミナム様の錯視の原因の推定が正しいことの裏付けになる現象だと思います。
それにしても、壁面照射時にはしっかりとダークリングのように見えるというのは厄介なものですね。
Posted by: 翠庵 | January 08, 2007 at 00:55
こちらでは、初めまして。nobといいますm(_ _)m
検証お疲れ様です。
P1D CEですが、実際壁に照射した状態で、ゆっくりと横に移動するとダークリングに見える部分が尾を引いて見えるので「錯視なんだなぁ」と思っていましたが、検証結果を見ると納得できましたm(_ _)m
あと、周辺光のムラはリフレクタに入っている同心円状のスジが原因かな、と思われます。(P1でも同じく周辺光にスジが入っていますので・・・)
遅ればせながらですが・・・
明けまして、おめでとうございます。
今年も宜しく御願いしますm(_ _)m
Posted by: nob | January 07, 2007 at 22:55