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October 24, 2005

My knives Story その6 (Damascus blade)

久しぶりにナイフのお話です。

 
ダマスカスブレードのナイフにかなり興味があり、少し集めようとした時期がありました。


今ナイフで使われているダマスカスブレードとは、ニッケルとステンレスを何層にも重ねるなどブレードを異種素材の積層状態にし、漆塗りのような模様をブレードに出すことで美しい模様になるという訳です。

実用を重視したナイフの場合は、ブレードの中央素材をナイフ用ステンレスにしてナイフ機能はその素材が受け持ち、その両側に積層材を貼り付けて模様を受け持っているものもあります。

しかし、実際に試してみると、中央にナイフ用ステンレスを入れているものはあまり美しくなく、ニッケルとステンレスの合わせたものは、エッジにニッケルが入ると切れ味が落ちるような気がするし、丈夫で切れ味の良さそうなモノはブレードが黒くザラザラで美しくなく、結局本当に美しいものは購入価格がえらく高いのでとても集められない事がわかりました。


 

写真:左から Buck 110、AFAG ラッセル、ボーカー、ベアー MGC

この写真のナイフで一番美しいのは、ボーカーです。

 
 
ダマスカスとはシリアの首都名ですが、ダマスカス鋼とはそもそも紀元前から有ったインド付近で作られた鋼のようです。近代以降はスエーデンのスエーデン鋼が有名ですが、大昔はダマスカス鋼が有名だったようです。原産地で混ざる特有の不純物ととそれを生かす製鉄過程をへて硬さの異なる結晶が樹枝状に成長し、そのために硬い部分と柔軟な部分が混じるとともに表面に美しい模様が出来るそうです。このような性質のためこの素材は刀のような長い刃物の素材に最適だったようです。

しかし、ダマスカス鋼は本当に希少品でアレキサンダー大王も何キロという単位でしか得られなかったという話が残っているようです。

このようにダマスカス鋼は非常に入手し難い素材だったため、その代替材料として日本刀のような内側に靱性(じんせい)のある軟鋼と外側に切れの良い硬鋼を付ける技術に発展したようです。

また、ダマスカス鋼は原料に含まれている不純物(日経サイエンスの記事ではたしかボロン・・・間違っているかもしれません・・・)が枯渇してしまい、ダマスカス鋼自体が無くなってしまうとともにその樹状結晶を作る製法も忘れられてしまったそうです。なお、日経サイエンスの記事では、米国の科学者がその成分を見つけ製法も再現したそうです。

現在のダマスカスブレードは古代のダマスカス鋼ではなく、ベニヤのような合板作りになっています。そのような材料を様々な変形をさせた後に研磨して様々な模様を作り出してているようです。

しかし、古代のダマスカス鋼は、恐らく日本刀のような合わせ板構造と比べてそれほど高性能では無かったのではないかと想像します。しかし、古代は地域によって技術格差が非常に大きく、青銅の刀(日本は銅鐸・銅剣の時代でしょう)を相手には圧倒的に良い素材だったので伝説的な材料になったのかもしれません。なお、鉄剣の技術では、約2200年前の秦始皇帝の兵馬俑(へいばよう)から出土した鉄剣にはクロームメッキがしてあったらしいです。


このような情報を聞くにつれて、古代技術にロマンを感じてしまいます。

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Comments

 日立って聞くと圧倒的な強さを感じますね。
ATSブランドのナイフなんかも有名な小説などに小道具として登場しますし。

Posted by: ATSリスペクト | April 21, 2008 at 09:58

 世界最強の日本刀のナノテクノロジーを抽出し先端技術を駆使して日立金属がSLD-MAGICという金型用鋼を開発した。これは韓国製鉄が出来ない優秀なハイテン(高張力鋼板)を切り裂いたり、曲げたりする金型に応用され自動車などが製造されている。こんなことが韓国では出来ないのは切れ味抜群の日本刀には日本のオリジナル技術がいっぱい詰まっているから。

Posted by: ものづくり日本ブランド研究員 | March 11, 2008 at 00:53

 日立金属さんの開発したSLD-MAGICという工具鋼は 世界最強の日本刀のナノテクノロジーを駆使して開発 したらしい。
 最先端技術を駆使して製造されたハイテン(高張力鋼板)材を切り裂く、刃物や金型に使われているらしい。

Posted by: タレットパンチ | March 01, 2008 at 22:17

Ring さん、ご無沙汰しています。

私もダマスカスは高価なのですでに封印したのですが、自分の記事でその決意が危うくなりそう・・・、墓穴を掘ってしまったかも・・・(^^;

Posted by: イルミナム | October 29, 2005 at 17:16

こんにちは

諸事情により、昨日やっと繋がりました!
・・・と思ったら・・・ナイフネタ!(それも写真付!)
「ダマスカスには、手を出すまい!」と・・
封印していたのですが!?
ホシイィ~症候群が再発しそうです?笑

Posted by: Ring | October 28, 2005 at 09:54

NEO さん、こんばんは。

良い工具や美しいナイフってメカ好きな人にとってはたまりませんよね。もっとも私は、使わずに磨いているばかり・・・ (^^;

Posted by: イルミナム | October 26, 2005 at 21:03

イルミナムさん、お久しぶりです。
ここ2ヵ月程プライベートが忙しくサイト更新もストップ中のダメ管理人NEOです(~_~;)

為になるお話で全部一気読みしてしまいました。
ダマスカス鋼は本当に美しいですね。なんか日本刀の刃紋にも似た美しさを感じます。
私はナイフも大好きでかなり昔に買ったものが数本所有しています。実は日本刀も大好きなのです。

でももし買い始めたらセーブが利かなくなるのが自分でもわかっているので、買うのはツールナイフのみと自分で制限をかけてます。

よく出来たナイフは眺めているだけでも感動に浸れますよね。そろそろ1本買ってしまいたくなってきました(^o^)

Posted by: NEO | October 26, 2005 at 12:43

nyanmaru さん、こんばんは。

やはり美しいものほどお値段は・・・ですね。

うちのAGラッセルは、ニッケル部分のエッジが微妙にバリっぽくなったりするのでペーパーナイフになっていたりしています(^^;

Posted by: イルミナム | October 25, 2005 at 23:21

イルミナムさん、こんばんわ♪

ダマスカス鋼の美しさには惹かれるものがありますね!
ダマスカスは研ぐと鋼材の柔らかい部分と硬い部分で目に見えないほどの段差ができ、そのノコギリ効果(だったかな?)で、普通の鋼材のナイフより切れ味が良いと聞いたことがあります。
(何だか反射光に文字等が浮き出る昔の金属製の鏡を思い出します)

以前、杉原渓童さん作品のダマスカスナイフを見かけて、その美しさに「おっ!」っと思ったのですが、その値段に「おおぅぅぅぅ…」っと思い、諦めたことを思い出します(笑

最近では技術の進歩でしょうか…すごく綺麗な模様が浮き出ているのに、かつてほど高くはないダマスカスナイフも見かけます。そのうち、私も一本所有したいところです。

Posted by: nyanmaru | October 25, 2005 at 22:24

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